たまりば

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ネット契約を1Mbpsにしてみた
2016年08月27日 22:17

先日引っ越しをしたのだが、無料でケーブルテレビとインターネットが使えるという物件だった。
とはいえ無料で使えるのは最低ランクの1Mbps(上り500kbps)のコース。契約に来た会社の人は当然のごとく有料の高速なコースを勧めてくる。
曰く、「1Mbpsのコースはメールしか使わない人向けですよ」「100Mとか書いてありますけど数字通り出るわけではないですから。1Mなら500kとかになっちゃいますよ」「お客様は話を聞く限りネット使われる方ですよね」「1Mで契約された方は大抵コース変更しますよ」

そこまで言われたら試してみないわけにはいかない。
kbpsレベルならまだしも、1Mbpsはそこまで何もできないような速度ではないだろう。

まず契約までの猶予期間に少々調べてみたのだが、CATVのインターネット接続は基地局からの距離で減衰するADSLと違ってリピーターを入れているので書いてある速度がちゃんと出るもののようだ。なるほど、そうでなければおちおちTV信号も流せないだろう。
「数字通り出るわけではない」という発言は、基地局からの距離でノイズが乗るADSLと建物内の加入者数で分け合う光をわざと混同して誤解を誘っているように思う。
とりあえず1Mbpsは出るものと思ってよさそうだ。

工事が来て、設置されたモデムを見ると、LANの口が1つ。ここでもコストを削減してきたか。
まあ持っている無線LANの親機がハブ機能も持っているので問題ない。
なお工事費は初回申込時は無料だが、コース変更時は5000円掛かるという。最初に高いコースにさせるためな気がする。

いくつか速度計測サイトで測ってみると、きちんと1Mbps出ているようだ。実際のファイルのダウンロード中も100KB/秒超えの数値が表示され、少なくとも9割方の速度は出ているように見える。
やはり「数字通り出るわけではない」というのは嘘だった。

さて本題だ。いろいろとネットを使ってみた感想を書く。

・画像
昔ながらのHTML+画像少々のページなら、全く問題なく見られる。
画像が大量にあるページだと、読み込み待ちが発生する。常識的な量であれば、別のサイトを読んでいる間に読み込ませておけば問題ない。
ただ、放っておくだけでは表示されている部分の画像しか読み込まれないサイトが困りものだ。例えばpixivの複数枚投稿がそうなのだが、読み込ませるためにまず開いて一番下までスクロールしておく必要がある。
また、漫画サイトも一度には見開きの2ページしか読み込まれず、さらに全ページを読み込ませる手段がないので、ページめくりごとに1,2分10~20秒の待ちが生じ、不便である。
訂正: 改めて測ってみるとさすがに1,2分などということは無かった。感覚はあてにならないものである。

・ファイルダウンロード
大容量のファイルを落とすのには時間がかかるが、それ自体はただ待てばよいだけなのであまり問題ない。GB単位のファイルも正常にダウンロードできた。
問題は、ファイルのダウンロード中は他の通信が遅くなり、快適な閲覧ができないこと。
また、ダウンロード中に他のWeb閲覧をしていたところダウンロードが中断してしまう現象が稀ながら発生した。確実にダウンロードするためには他の作業をしないほうがよさそうだ。

・動画
動画は読み込みに時間が掛かるが、すぐに再生せず読み込ませておけば問題ない。HDはともかく、SD画質ならさほど問題を感じない。そもそも動画は読み込みが間に合わないものである。
ただし一定以上読み込ませてくれないサイトが困りものだ。最後まで再生した後にもう一度再生するボタンを押すと再びゼロから読み込み直すサイトは滅べばいいと思う。

・動画ストリーミング
これはわりと心配なところだったが、Ustream・ニコニコ生放送・熊本震災時のNHKニュースと、問題なく見られた。
これもHD画質でなければさほどビットレートは要らないようだ。

・操作に応じた細かい読み込み
操作に応じて細かく読み込みをするサイトはかなりつらい。筆頭がGoogleストリートビュー。Googleマップも少々きつい。
ただし、操作性は損なわれるものの、時間を掛ければ目的のものを見ることはできる。
困るのは、Yahoo知恵袋の返信の読み込みがよく失敗したり、マイニンテンドーのお知らせの読み込みが無反応だったりと、操作に応じて読み込まれるタイプのUIがなんだか分からないがエラーで止まってしまうこと。
なるべく他のページを読まないようにすると成功しやすいように思う。
時間が掛かるなら分かるが、失敗してしまうというのは、このような低速回線を想定していないということだろうか。

・Splatoon
Splatoonはできない。
試合開始後しばらくは正常にプレイできるが、30秒ほどで塗りが反映されなくなり、通信が異常だか何か見知らぬメッセージが出たあと通信が切断された。念のためPCの電源を落として試したが同様であった。
解析情報によるとSplatoonの試合中の通信は800kbps程度らしい。P2Pなので上り400kbps下り400kbpsということだろうか。
上りはともかく下りは500kbpsと余裕が無いので、細かい変動で一時的に超えたりもするだろうし、まあ不思議ではない。

・Windows10
Windows10がアップデートのためにダウンロードを始めると帯域を完全に専有する。これは上記のファイルのダウンロード中の比ではなく、ブラウザはページを開くのに10分単位で掛かる。
最悪なことに、これはいつ起こるか予想がつかず、始まってしまったらPCの電源を落とし別のPCを使う以外に回避方法がない。
なおこれについて、Microsoftコミュニティの投稿を見ると、Windowsフィードバックのスクリーンショットが貼られており、それを見ると7月13日の時点で「8ヶ月前」から要望が出ているようだ。

総括
・回線速度が足りないせいでできないことはほとんど無い。
・Splatoonができない。
・あらゆるサイトで細かい待ちが発生し、時間を無駄にする。
・軽いデータのやり取りに見えるのに頻繁にエラーが出るサイトが少ないながらある。
・Windows10はクソ。



・Windows10について追記
まずこれの原因だが、おそらくネットワーク環境が
CATVモデム - 100Mbpsハブ(無線LAN) - PC
となっているせいでネットワークが100Mbps使えるものとして認識され大量に帯域を使っていたのだろう。
そこで思いついて、デバイスマネージャーからNIC設定を10Mbpsにしてみたところ、FallCreatorsUpdateの帯域制御機能の最小5%と合わせてなんとか1Mbpsの50%に制限することが出来た。
状況は改善したが、しかしこれは本質的な解決ではない。
その後何気なく検索していてこのページを発見。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DeliveryOptimization
DOMaxDownloadBandwidth (REG_DWORD)
で「Maximum Download Bandwidth (in KB/s)」の設定ができるという。
試しに「31」(KB/s; =248kbps)で設定したところ、やはり大幅に変動するので確信が持てるまでに時間がかかったが、どうやら確かに250kbps程度に抑えられているようだ。
ついにWindows10をまともに使う方法を発見した!

…が、なんとその後すぐに自宅のネット回線のグレードが上がってこの対処が必要なくなってしまった。
必要な人は参考にしてほしい。