コロコロカービィのスタッフロールの8ドット幅の文字と誤字2025年01月19日 17:13
コロコロカービィのプレイ動画を見ていてスタッフロールの文字が目に留まった。


おかしい。MとW(大小文字ともに)の幅が8ドットある。
太字のビットマップフォントを描いたことのある者なら分かると思うが、3本の太線を並べるには8ドット必要だ。
しかし普通のフォントは隣と接触しないよう1ドットの隙間を空けるため、8ドット単位の空間に描くなら文字本体に使えるのは7ドット。大抵は我慢して3本の線のうち1本を細くするものだ。
例えばこんな感じに。

それがコロコロカービィの文字は3本とも太い2ドット幅の線になっている。これでは隣の文字と接触してしまうではないか。どうなっているんだ。
しかし少し考えて気付いたが、これは日本製のゲームのスタッフロールであり、つまり出てくる文字列は基本的に日本人の人名。
日本語の特徴としてMやWが2つ並ぶことは無い。(更に言えばMの前後に来うるのは母音とNとYだけだ)
つまり他の文字を左右を空けた6ドット幅に抑えておけば、MとWが8ドット幅でもどんな名前が来ても問題なく表示できるわけだ。これは上手い。
…と思ってスタッフロールを見ていると現れたのが「PROGRAMMER」の文字。(先頭の画像)
そうだ、日本のゲームのスタッフロールは人名は日本人名でも役職名は英語で書かれるものだった。
これは特別扱いで専用の文字を作っているんだろうなあ。
と、気になったのでROMファイルの中を覗いてみると、やはり専用のキャラが用意されていた。「1ドット右にずれたM」と「M右端とE」のそれぞれ上下で4キャラ。

並べてみよう。普通のMとEを使ったものと、専用のMとEを使ったもの。

さてしかしこの文字キャラ群、並びがあまりアルファベット順でないし上下もバラバラだ。そういえばゲームボーイカラーはBG面でキャラ反転できるんだった。反転機能を使っているんだろうな。ちょっと並べてみるか…。(実は最初は「M右端とE」の上側を見逃していたのもあって反転しているのだろうと確信していた)
並べてみると、意外なことに反転なしで英字大小文字全て組み立てられた。

しかしよく見てみるとやはりこの並び順のバラバラ具合は最初は反転を使う予定だったのをやめたように見える。
説明しよう。
まず先頭から見ていくと、上下2キャラで揃ってアルファベット順のものがABFGJKLMNPSUXZ。

続きをそのまま上下2キャラづつで見ていくと、
O上 C上 D上 E上 H上 I上下
C下 Q下 R下 V下 W下 T上
となっている。加えて離れた場所にD下、E下、H下がある。

ここで、上下揃いの一群に含まれない文字のCDEHIOQRTVWYを見ると、このうちCDEHIOは上下対称なので半分だけで済む。
キャラの並びを見ると、上の列(図の青)にこのうちOは除いてCDEHIまでがアルファベット順に並んでいる。OはUの下から作れるので最初は無かったのかな。このスペースに何があったかは不明だが。
また、(Oと)QRTVWYは他の文字と共有できる部分がある。
Qは上がO、Rは上がP、Tは下がI、Vは上がU、Wは上がMの下、Yは上がXで下がT
である。
キャラの並びを見ると、下の列(赤)が、やはり1文字目のCは除くと、QRVWTと並んでいてほぼ一致する。
Tの位置が不規則だが、もしかすると元はIがセリフの付いた形で上下反転で使っていてTの上と兼用だったのかもしれない。
その場合でもTの下は必要となるが、これはYの下と兼用なので、うっかり初出のTでなくYの方に置いた可能性が考えられなくもない。
そして上下反転で済むパーツの残りが、先頭のO上・C下と離れたD下・E下・H下である。後から入れたように見える。
小文字の方も見ていこう

abcegjkmqrsuvwzが上下揃ってアルファベット順に。素直な位置にないのは、d,f,h,i,l,n,o,p,t,x,y。
順に見ていこう。
dはbの左右反転でまかなうつもりだっただろう。
fは上だけは素直な位置にある。最初は上下とも描いていたのを後から下は他と兼用するようにしたのだろう。
i/hも半分が素直な位置にある。上をbと、下をnと兼用できるhか下をIやTと兼用できるiが最初は上下とも描いていたのだろう。
lは上下がIやTとの兼用。
nは下がhとの兼用、oは下がOとの兼用、pはqの左右反転
1マス分不規則に別の文字が入っているのを見るに、n,o,pのどれかは上下とも描いていたのだろう。
このうちpは考えづらい。bとdを左右反転するならpとqもしないはずがない。
ただ、先にくるpでなくqの方が残っているのは若干不思議である。
tは下がIやTとの兼用
xとyは上がuとの兼用
以上、まあまあ理由付けができた。
ところでここで気づいたのだが、上記の考察からして3,4列目(2キャラづつ組で見れば2列め)の一番左の2キャラは、アルファベット順からして「Dの上」と「Rの下」である。
決して「2つ揃ってR」ではない。Rの上はPの上と自然に兼用できる。
「Pの上/Rの下」と「Dの上/Rの下」を並べてみよう。

明らかに左のほうが自然であり、これを意図して作られたと考えるのが自然だ。
しかし…もう一度先頭の画像をご覧いただきたい。見事に「Dの上/Rの下」でできたRを使っている。これは明らかにミスだ。
想定される文字と実際の文字を並べてみた。

偶然「Dの上」と「Rの下」が並んでしまい繋がって一応「R」に見えてしまったのが運が悪かったのだなあ。
あとは「w」がどうも不格好だと思っていたがよく見ると明確に間違った字形をしている。


おかしい。MとW(大小文字ともに)の幅が8ドットある。
太字のビットマップフォントを描いたことのある者なら分かると思うが、3本の太線を並べるには8ドット必要だ。
しかし普通のフォントは隣と接触しないよう1ドットの隙間を空けるため、8ドット単位の空間に描くなら文字本体に使えるのは7ドット。大抵は我慢して3本の線のうち1本を細くするものだ。
例えばこんな感じに。

それがコロコロカービィの文字は3本とも太い2ドット幅の線になっている。これでは隣の文字と接触してしまうではないか。どうなっているんだ。
しかし少し考えて気付いたが、これは日本製のゲームのスタッフロールであり、つまり出てくる文字列は基本的に日本人の人名。
日本語の特徴としてMやWが2つ並ぶことは無い。(更に言えばMの前後に来うるのは母音とNとYだけだ)
つまり他の文字を左右を空けた6ドット幅に抑えておけば、MとWが8ドット幅でもどんな名前が来ても問題なく表示できるわけだ。これは上手い。
…と思ってスタッフロールを見ていると現れたのが「PROGRAMMER」の文字。(先頭の画像)
そうだ、日本のゲームのスタッフロールは人名は日本人名でも役職名は英語で書かれるものだった。
これは特別扱いで専用の文字を作っているんだろうなあ。
と、気になったのでROMファイルの中を覗いてみると、やはり専用のキャラが用意されていた。「1ドット右にずれたM」と「M右端とE」のそれぞれ上下で4キャラ。

並べてみよう。普通のMとEを使ったものと、専用のMとEを使ったもの。

さてしかしこの文字キャラ群、並びがあまりアルファベット順でないし上下もバラバラだ。そういえばゲームボーイカラーはBG面でキャラ反転できるんだった。反転機能を使っているんだろうな。ちょっと並べてみるか…。(実は最初は「M右端とE」の上側を見逃していたのもあって反転しているのだろうと確信していた)
並べてみると、意外なことに反転なしで英字大小文字全て組み立てられた。

しかしよく見てみるとやはりこの並び順のバラバラ具合は最初は反転を使う予定だったのをやめたように見える。
説明しよう。
まず先頭から見ていくと、上下2キャラで揃ってアルファベット順のものがABFGJKLMNPSUXZ。

続きをそのまま上下2キャラづつで見ていくと、
O上 C上 D上 E上 H上 I上下
C下 Q下 R下 V下 W下 T上
となっている。加えて離れた場所にD下、E下、H下がある。

ここで、上下揃いの一群に含まれない文字のCDEHIOQRTVWYを見ると、このうちCDEHIOは上下対称なので半分だけで済む。
キャラの並びを見ると、上の列(図の青)にこのうちOは除いてCDEHIまでがアルファベット順に並んでいる。OはUの下から作れるので最初は無かったのかな。このスペースに何があったかは不明だが。
また、(Oと)QRTVWYは他の文字と共有できる部分がある。
Qは上がO、Rは上がP、Tは下がI、Vは上がU、Wは上がMの下、Yは上がXで下がT
である。
キャラの並びを見ると、下の列(赤)が、やはり1文字目のCは除くと、QRVWTと並んでいてほぼ一致する。
Tの位置が不規則だが、もしかすると元はIがセリフの付いた形で上下反転で使っていてTの上と兼用だったのかもしれない。
その場合でもTの下は必要となるが、これはYの下と兼用なので、うっかり初出のTでなくYの方に置いた可能性が考えられなくもない。
そして上下反転で済むパーツの残りが、先頭のO上・C下と離れたD下・E下・H下である。後から入れたように見える。
小文字の方も見ていこう

abcegjkmqrsuvwzが上下揃ってアルファベット順に。素直な位置にないのは、d,f,h,i,l,n,o,p,t,x,y。
順に見ていこう。
dはbの左右反転でまかなうつもりだっただろう。
fは上だけは素直な位置にある。最初は上下とも描いていたのを後から下は他と兼用するようにしたのだろう。
i/hも半分が素直な位置にある。上をbと、下をnと兼用できるhか下をIやTと兼用できるiが最初は上下とも描いていたのだろう。
lは上下がIやTとの兼用。
nは下がhとの兼用、oは下がOとの兼用、pはqの左右反転
1マス分不規則に別の文字が入っているのを見るに、n,o,pのどれかは上下とも描いていたのだろう。
このうちpは考えづらい。bとdを左右反転するならpとqもしないはずがない。
ただ、先にくるpでなくqの方が残っているのは若干不思議である。
tは下がIやTとの兼用
xとyは上がuとの兼用
以上、まあまあ理由付けができた。
ところでここで気づいたのだが、上記の考察からして3,4列目(2キャラづつ組で見れば2列め)の一番左の2キャラは、アルファベット順からして「Dの上」と「Rの下」である。
決して「2つ揃ってR」ではない。Rの上はPの上と自然に兼用できる。
「Pの上/Rの下」と「Dの上/Rの下」を並べてみよう。

明らかに左のほうが自然であり、これを意図して作られたと考えるのが自然だ。
しかし…もう一度先頭の画像をご覧いただきたい。見事に「Dの上/Rの下」でできたRを使っている。これは明らかにミスだ。
想定される文字と実際の文字を並べてみた。

偶然「Dの上」と「Rの下」が並んでしまい繋がって一応「R」に見えてしまったのが運が悪かったのだなあ。
あとは「w」がどうも不格好だと思っていたがよく見ると明確に間違った字形をしている。
Post time : 2025年01月19日 17:13│Comments(0)